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MULTI 16シリーズ : ミニ英和和英辞書
MULTI 16シリーズ[まるち 16しりーず]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

MULTI 16シリーズ ( リダイレクト:MULTI 16シリーズ(まるち 16しりーず)は日本の三菱電機が開発及び販売を行った、パーソナルコンピュータの製品群。日本では初の8088マシンである。== 製品展開 ==初代機は1981年末に発表され、1982年1月より営業活動を開始『月刊ASCII No.56 1982年2月号』、p.63。、その後量産出荷が開始された。CPUは8088である。16ビットマシンとしては、N5200モデル05が本機より先行するが、「16ビットインテリジェントターミナル」としており、発売当時の市場における一般認識としては、本機種が「初のビジネス向け16ビットパーソナルコンピュータ」の最初の例と見なされていた(『月刊ASCII No.53 1981年11月号』 pp.54-55・『月刊ASCII No.66 1982年12月号』 pp.186・200)。また「ビジネス向け」というくくりを外せば、PANAFACOM Lkit-16などの存在もあり、「日本初」という表現は「ビジネス向け」「16ビット」「パーソナル」のそれぞれの言葉の定義次第でどうとでもなるので拘る意味は無い。640×400ドットと当時としては高解像度のビットマップグラフィック画面を備え、BASIC ROMを内蔵せず汎用のOSの使用を前提とし、そのOSで用いる日本語文字コードとしてシフトJISが三菱電機の提案で制定されるなど、その後の日本におけるビジネスパソコンの方向性を決定づける様々な仕様が盛り込まれていた。本シリーズは当初、パーソナルユースからビジネスユースまで幅広い展開を期してソフトウェアや周辺機器を含めた製品展開*>その過程では、VisiCalcに相当する表計算ソフトの開発がマイクロソフトに依頼され、Microsoft Multiplan(その開発経緯から、製品名の「Multi」は本シリーズに由来する)が提供されるなど、ここでもいくつかの重要な成果が得られている、が行われた。だが、ROM BASICを搭載せずフロッピーディスク上でのOS*>当初はデジタル・リサーチ社のシングルタスクOSであるCP/M-86が日本語化の上で提供され、後継機種ではこれをマルチタスク対応としたコンカレントCP/M-86やマイクロソフト社のMS-DOSも提供された。ただし、初代機についてはスタンドアロンM-BASICとしてフロッピーディスクから直接起動し、ディスクフォーマットがCP/M-86と互換で機能的にCP/M-86用M-BASICのサブセットとなるディスクBASICが添付されていた。使用を前提とする*>BASICはCP/M-86上のアプリケーションとしてマイクロソフト製M-BASICが標準でバンドルされていた。なお、このCP/M-86版のM-BASIC上ではOSの日本語入力機能により、日本語文字コードを文字列データとして使用することも可能であった。など、その後のパソコンの発達史からすれば正攻法のシステム構成は、当時の市場においてはあまりに重装備かつ高価*>初代機では8色表示のカラーディスプレイモデルとモノクロ表示のグリーンディスプレイモデルが提供されたが、5インチ2Dフロッピーディスクドライブ2基を搭載しメインメモリ160KB(公称は256KBだがVRAMとして96KBのメモリ領域を消費するため、ユーザーメモリはその分差し引かれる)搭載のカラーディスプレイモデル(MP-1605)の定価が123万円、5インチ2Dフロッピーディスクドライブ1基搭載でメインメモリを96KB(公称は128KBだが、ユーザーメモリとしてはカラーモデルと同様の理由でVRAMに用いる32KBを差し引いた値となる)搭載するシリーズ最下位のグリーンディスプレイモデル(MP-1601)でさえ定価73万円、と当時は非常に高価であったフロッピーディスクドライブを標準搭載したためもあって、発表当時の市場における一般的なパソコンの定価と比較しても高価に過ぎた。ただし、初代機の段階でメインメモリは64KB(MP-64ZM)あるいは128KB(MP-128ZM)単位で汎用拡張スロットにメモリボードを搭載することで最大576KB(VRAMを含む。つまり、ユーザーエリアは最大480KBとなる)まで実装可能であった。なお、標準で8インチフロッピーディスクドライブを内蔵するモデル(MP-1622・1625)も存在し、専用DMAコントローラ搭載の専用FDインターフェイスカードは公称容量10MB、フォーマット時容量9MBの外付ハードディスクユニットの接続にも対応していた。であったことから、当初の手厚いソフトウェアサポートにもかかわらず、幅広く受け入れられるには至らなかった。しかも、ビジネスとしては後発のNEC PC-9800シリーズが内部バスの完全な16ビットアークテクチャ化やグラフィック表示機能の高速化*>MULTI 16は640×400ドットあるいは640×450ドット(MULTI 16 II以降の8086-2/80286搭載機種のみサポート)の解像度のビットマップグラフィック画面を1画面備え、汎用ICなどを組み合わせたディスクリート回路によって描画を行い、更にここにテキスト表示も行う。つまり、後年のDOS/Vと同様に文字表示に際しては8×16あるいは16×16ドットのキャラクタパターンデータを順次VRAM上に転送する必要がある。このため、専用のグラフィックコントローラとテキストVRAMを備え、文字コードをテキストVRAMに書き込むだけで文字表示が行われるPC-9800シリーズと比較すると文字表示速度で大きく見劣りした。といった本シリーズの弱点を補うアーキテクチャを備えて発表され、BASICマシンとしては先行するPC-8801シリーズとの一定の互換性を有し、周辺機器についてもPC-8801用のものの大半が流用可能で、なおかつ本体も充分に廉価な価格設定であった。この結果、性能と価格、それにソフトウェア・ハードウェア資産の継承の3点でPC-9800シリーズに劣った本シリーズは一般市場向けパソコンとしては事実上の失敗に終わり、以後は三菱グループの各社で使用される程度にとどまった。シリーズとしては8086-2搭載で完全に16ビットアーキテクチャ化されたMULTI 16 II、その後継で本体に5インチ2HDフロッピーディスクドライブが内蔵されたMULTI 16 III、Intel 80286を搭載し輸出向けPC/AT互換機との設計共通化が進んだMULTI 16 IV、と続き、それぞれMULTI 16 II・IIIの筐体に初代機と同等の機能を備えた廉価版のMULTI 16 カスタム・MULTI 16 Sも販売されたが、1987年発売開始のAX規格準拠パソコンMAXYと交代する形でシリーズ終了となった。本シリーズはデスクトップモデルのみの展開であり、ラップトップモデル(後継機種であるMAXYでは提供された)やノートブックモデルといった可搬モデルは存在しない。なお、MAXY発表直前に発表された三菱電機製PC/AT互換機であるM3300シリーズでは、変換アダプタの併用により、一部の本シリーズ用拡張カード*>シリアルポート、セントロニクス準拠プリンタポート、GPIBの3種。のサポートが謳われていた。また、このM3300シリーズでは専用OSである拡張日本語コンカレントCP/M-86上でのMULTI 16用アプリケーション動作互換性確保を目的として、専用グラフィックコントローラに16ドット表示モード*>解像度は640×450ドット。なお、M3300シリーズはPC/AT互換機がベースであるが、グラフィックコントローラは専用設計の独自規格のものを搭載(ただし、EGA相当のアダプタも搭載可能で、この場合は対応キーボード(M6900-2・M6901-2・M6905の3種)が接続されていれば一般的なPC/AT互換機用MS-DOSも動作可能である)していた。このためVRAMとしてテキストVRAMを32KB×4、グラフィックVRAMとして1MB(モノクロモデル)あるいは2MB(カラーモデル)を搭載しており、画面解像度は24×24ドットの文字(全角)による1,120×756ドット表示が基本となっていた。が搭載され、同時発表の14インチカラーCRT (M6310)と14インチモノクロCRT (M6311)にはこのモードでの表示をサポートするため、マルチスキャン機能が搭載されていた。 ) : ウィキペディア日本語版
MULTI 16シリーズ(まるち 16しりーず)は日本の三菱電機が開発及び販売を行った、パーソナルコンピュータの製品群。日本では初の8088マシンである。== 製品展開 ==初代機は1981年末に発表され、1982年1月より営業活動を開始『月刊ASCII No.56 1982年2月号』、p.63。、その後量産出荷が開始された。CPUは8088である。16ビットマシンとしては、N5200モデル05が本機より先行するが、「16ビットインテリジェントターミナル」としており、発売当時の市場における一般認識としては、本機種が「初のビジネス向け16ビットパーソナルコンピュータ」の最初の例と見なされていた(『月刊ASCII No.53 1981年11月号』 pp.54-55・『月刊ASCII No.66 1982年12月号』 pp.186・200)。また「ビジネス向け」というくくりを外せば、PANAFACOM Lkit-16などの存在もあり、「日本初」という表現は「ビジネス向け」「16ビット」「パーソナル」のそれぞれの言葉の定義次第でどうとでもなるので拘る意味は無い。640×400ドットと当時としては高解像度のビットマップグラフィック画面を備え、BASIC ROMを内蔵せず汎用のOSの使用を前提とし、そのOSで用いる日本語文字コードとしてシフトJISが三菱電機の提案で制定されるなど、その後の日本におけるビジネスパソコンの方向性を決定づける様々な仕様が盛り込まれていた。本シリーズは当初、パーソナルユースからビジネスユースまで幅広い展開を期してソフトウェアや周辺機器を含めた製品展開*>その過程では、VisiCalcに相当する表計算ソフトの開発がマイクロソフトに依頼され、Microsoft Multiplan(その開発経緯から、製品名の「Multi」は本シリーズに由来する)が提供されるなど、ここでもいくつかの重要な成果が得られている、が行われた。だが、ROM BASICを搭載せずフロッピーディスク上でのOS*>当初はデジタル・リサーチ社のシングルタスクOSであるCP/M-86が日本語化の上で提供され、後継機種ではこれをマルチタスク対応としたコンカレントCP/M-86やマイクロソフト社のMS-DOSも提供された。ただし、初代機についてはスタンドアロンM-BASICとしてフロッピーディスクから直接起動し、ディスクフォーマットがCP/M-86と互換で機能的にCP/M-86用M-BASICのサブセットとなるディスクBASICが添付されていた。使用を前提とする*>BASICはCP/M-86上のアプリケーションとしてマイクロソフト製M-BASICが標準でバンドルされていた。なお、このCP/M-86版のM-BASIC上ではOSの日本語入力機能により、日本語文字コードを文字列データとして使用することも可能であった。など、その後のパソコンの発達史からすれば正攻法のシステム構成は、当時の市場においてはあまりに重装備かつ高価*>初代機では8色表示のカラーディスプレイモデルとモノクロ表示のグリーンディスプレイモデルが提供されたが、5インチ2Dフロッピーディスクドライブ2基を搭載しメインメモリ160KB(公称は256KBだがVRAMとして96KBのメモリ領域を消費するため、ユーザーメモリはその分差し引かれる)搭載のカラーディスプレイモデル(MP-1605)の定価が123万円、5インチ2Dフロッピーディスクドライブ1基搭載でメインメモリを96KB(公称は128KBだが、ユーザーメモリとしてはカラーモデルと同様の理由でVRAMに用いる32KBを差し引いた値となる)搭載するシリーズ最下位のグリーンディスプレイモデル(MP-1601)でさえ定価73万円、と当時は非常に高価であったフロッピーディスクドライブを標準搭載したためもあって、発表当時の市場における一般的なパソコンの定価と比較しても高価に過ぎた。ただし、初代機の段階でメインメモリは64KB(MP-64ZM)あるいは128KB(MP-128ZM)単位で汎用拡張スロットにメモリボードを搭載することで最大576KB(VRAMを含む。つまり、ユーザーエリアは最大480KBとなる)まで実装可能であった。なお、標準で8インチフロッピーディスクドライブを内蔵するモデル(MP-1622・1625)も存在し、専用DMAコントローラ搭載の専用FDインターフェイスカードは公称容量10MB、フォーマット時容量9MBの外付ハードディスクユニットの接続にも対応していた。であったことから、当初の手厚いソフトウェアサポートにもかかわらず、幅広く受け入れられるには至らなかった。しかも、ビジネスとしては後発のNEC PC-9800シリーズが内部バスの完全な16ビットアークテクチャ化やグラフィック表示機能の高速化*>MULTI 16は640×400ドットあるいは640×450ドット(MULTI 16 II以降の8086-2/80286搭載機種のみサポート)の解像度のビットマップグラフィック画面を1画面備え、汎用ICなどを組み合わせたディスクリート回路によって描画を行い、更にここにテキスト表示も行う。つまり、後年のDOS/Vと同様に文字表示に際しては8×16あるいは16×16ドットのキャラクタパターンデータを順次VRAM上に転送する必要がある。このため、専用のグラフィックコントローラとテキストVRAMを備え、文字コードをテキストVRAMに書き込むだけで文字表示が行われるPC-9800シリーズと比較すると文字表示速度で大きく見劣りした。といった本シリーズの弱点を補うアーキテクチャを備えて発表され、BASICマシンとしては先行するPC-8801シリーズとの一定の互換性を有し、周辺機器についてもPC-8801用のものの大半が流用可能で、なおかつ本体も充分に廉価な価格設定であった。この結果、性能と価格、それにソフトウェア・ハードウェア資産の継承の3点でPC-9800シリーズに劣った本シリーズは一般市場向けパソコンとしては事実上の失敗に終わり、以後は三菱グループの各社で使用される程度にとどまった。シリーズとしては8086-2搭載で完全に16ビットアーキテクチャ化されたMULTI 16 II、その後継で本体に5インチ2HDフロッピーディスクドライブが内蔵されたMULTI 16 III、Intel 80286を搭載し輸出向けPC/AT互換機との設計共通化が進んだMULTI 16 IV、と続き、それぞれMULTI 16 II・IIIの筐体に初代機と同等の機能を備えた廉価版のMULTI 16 カスタム・MULTI 16 Sも販売されたが、1987年発売開始のAX規格準拠パソコンMAXYと交代する形でシリーズ終了となった。本シリーズはデスクトップモデルのみの展開であり、ラップトップモデル(後継機種であるMAXYでは提供された)やノートブックモデルといった可搬モデルは存在しない。なお、MAXY発表直前に発表された三菱電機製PC/AT互換機であるM3300シリーズでは、変換アダプタの併用により、一部の本シリーズ用拡張カード*>シリアルポート、セントロニクス準拠プリンタポート、GPIBの3種。のサポートが謳われていた。また、このM3300シリーズでは専用OSである拡張日本語コンカレントCP/M-86上でのMULTI 16用アプリケーション動作互換性確保を目的として、専用グラフィックコントローラに16ドット表示モード*>解像度は640×450ドット。なお、M3300シリーズはPC/AT互換機がベースであるが、グラフィックコントローラは専用設計の独自規格のものを搭載(ただし、EGA相当のアダプタも搭載可能で、この場合は対応キーボード(M6900-2・M6901-2・M6905の3種)が接続されていれば一般的なPC/AT互換機用MS-DOSも動作可能である)していた。このためVRAMとしてテキストVRAMを32KB×4、グラフィックVRAMとして1MB(モノクロモデル)あるいは2MB(カラーモデル)を搭載しており、画面解像度は24×24ドットの文字(全角)による1,120×756ドット表示が基本となっていた。が搭載され、同時発表の14インチカラーCRT (M6310)と14インチモノクロCRT (M6311)にはこのモードでの表示をサポートするため、マルチスキャン機能が搭載されていた。[まるち 16しりーず]

MULTI 16シリーズ(まるち 16しりーず)は日本の三菱電機が開発及び販売を行った、パーソナルコンピュータの製品群。日本では初の8088マシンである。
== 製品展開 ==
初代機は1981年末に発表され、1982年1月より営業活動を開始〔『月刊ASCII No.56 1982年2月号』、p.63。〕、その後量産出荷が開始された。
CPUは8088である。16ビットマシンとしては、N5200モデル05が本機より先行するが、「16ビットインテリジェントターミナル」としており、発売当時の市場における一般認識としては、本機種が「初のビジネス向け16ビットパーソナルコンピュータ」の最初の例と見なされていた(『月刊ASCII No.53 1981年11月号』 pp.54-55・『月刊ASCII No.66 1982年12月号』 pp.186・200)。また「ビジネス向け」というくくりを外せば、PANAFACOM Lkit-16などの存在もあり、「日本初」という表現は「ビジネス向け」「16ビット」「パーソナル」のそれぞれの言葉の定義次第でどうとでもなるので拘る意味は無い。
640×400ドットと当時としては高解像度のビットマップグラフィック画面を備え、BASIC ROMを内蔵せず汎用のOSの使用を前提とし、そのOSで用いる日本語文字コードとしてシフトJISが三菱電機の提案で制定されるなど、その後の日本におけるビジネスパソコンの方向性を決定づける様々な仕様が盛り込まれていた。
本シリーズは当初、パーソナルユースからビジネスユースまで幅広い展開を期してソフトウェアや周辺機器を含めた製品展開〔*>その過程では、VisiCalcに相当する表計算ソフトの開発がマイクロソフトに依頼され、Microsoft Multiplan(その開発経緯から、製品名の「Multi」は本シリーズに由来する)が提供されるなど、ここでもいくつかの重要な成果が得られている、〕が行われた。だが、ROM BASICを搭載せずフロッピーディスク上でのOS〔*>当初はデジタル・リサーチ社のシングルタスクOSであるCP/M-86が日本語化の上で提供され、後継機種ではこれをマルチタスク対応としたコンカレントCP/M-86やマイクロソフト社のMS-DOSも提供された。ただし、初代機についてはスタンドアロンM-BASICとしてフロッピーディスクから直接起動し、ディスクフォーマットがCP/M-86と互換で機能的にCP/M-86用M-BASICのサブセットとなるディスクBASICが添付されていた。〕使用を前提とする〔*>BASICはCP/M-86上のアプリケーションとしてマイクロソフト製M-BASICが標準でバンドルされていた。なお、このCP/M-86版のM-BASIC上ではOSの日本語入力機能により、日本語文字コードを文字列データとして使用することも可能であった。〕など、その後のパソコンの発達史からすれば正攻法のシステム構成は、当時の市場においてはあまりに重装備かつ高価〔*>初代機では8色表示のカラーディスプレイモデルとモノクロ表示のグリーンディスプレイモデルが提供されたが、5インチ2Dフロッピーディスクドライブ2基を搭載しメインメモリ160KB(公称は256KBだがVRAMとして96KBのメモリ領域を消費するため、ユーザーメモリはその分差し引かれる)搭載のカラーディスプレイモデル(MP-1605)の定価が123万円、5インチ2Dフロッピーディスクドライブ1基搭載でメインメモリを96KB(公称は128KBだが、ユーザーメモリとしてはカラーモデルと同様の理由でVRAMに用いる32KBを差し引いた値となる)搭載するシリーズ最下位のグリーンディスプレイモデル(MP-1601)でさえ定価73万円、と当時は非常に高価であったフロッピーディスクドライブを標準搭載したためもあって、発表当時の市場における一般的なパソコンの定価と比較しても高価に過ぎた。ただし、初代機の段階でメインメモリは64KB(MP-64ZM)あるいは128KB(MP-128ZM)単位で汎用拡張スロットにメモリボードを搭載することで最大576KB(VRAMを含む。つまり、ユーザーエリアは最大480KBとなる)まで実装可能であった。なお、標準で8インチフロッピーディスクドライブを内蔵するモデル(MP-1622・1625)も存在し、専用DMAコントローラ搭載の専用FDインターフェイスカードは公称容量10MB、フォーマット時容量9MBの外付ハードディスクユニットの接続にも対応していた。〕であったことから、当初の手厚いソフトウェアサポートにもかかわらず、幅広く受け入れられるには至らなかった。
しかも、ビジネスとしては後発のNEC PC-9800シリーズが内部バスの完全な16ビットアークテクチャ化やグラフィック表示機能の高速化〔*>MULTI 16は640×400ドットあるいは640×450ドット(MULTI 16 II以降の8086-2/80286搭載機種のみサポート)の解像度のビットマップグラフィック画面を1画面備え、汎用ICなどを組み合わせたディスクリート回路によって描画を行い、更にここにテキスト表示も行う。つまり、後年のDOS/Vと同様に文字表示に際しては8×16あるいは16×16ドットのキャラクタパターンデータを順次VRAM上に転送する必要がある。このため、専用のグラフィックコントローラとテキストVRAMを備え、文字コードをテキストVRAMに書き込むだけで文字表示が行われるPC-9800シリーズと比較すると文字表示速度で大きく見劣りした。〕といった本シリーズの弱点を補うアーキテクチャを備えて発表され、BASICマシンとしては先行するPC-8801シリーズとの一定の互換性を有し、周辺機器についてもPC-8801用のものの大半が流用可能で、なおかつ本体も充分に廉価な価格設定であった。この結果、性能と価格、それにソフトウェア・ハードウェア資産の継承の3点でPC-9800シリーズに劣った本シリーズは一般市場向けパソコンとしては事実上の失敗に終わり、以後は三菱グループの各社で使用される程度にとどまった。
シリーズとしては8086-2搭載で完全に16ビットアーキテクチャ化されたMULTI 16 II、その後継で本体に5インチ2HDフロッピーディスクドライブが内蔵されたMULTI 16 III、Intel 80286を搭載し輸出向けPC/AT互換機との設計共通化が進んだMULTI 16 IV、と続き、それぞれMULTI 16 II・IIIの筐体に初代機と同等の機能を備えた廉価版のMULTI 16 カスタム・MULTI 16 Sも販売されたが、1987年発売開始のAX規格準拠パソコンMAXYと交代する形でシリーズ終了となった。
本シリーズはデスクトップモデルのみの展開であり、ラップトップモデル(後継機種であるMAXYでは提供された)やノートブックモデルといった可搬モデルは存在しない。
なお、MAXY発表直前に発表された三菱電機製PC/AT互換機であるM3300シリーズでは、変換アダプタの併用により、一部の本シリーズ用拡張カード〔*>シリアルポート、セントロニクス準拠プリンタポート、GPIBの3種。〕のサポートが謳われていた。また、このM3300シリーズでは専用OSである拡張日本語コンカレントCP/M-86上でのMULTI 16用アプリケーション動作互換性確保を目的として、専用グラフィックコントローラに16ドット表示モード〔*>解像度は640×450ドット。なお、M3300シリーズはPC/AT互換機がベースであるが、グラフィックコントローラは専用設計の独自規格のものを搭載(ただし、EGA相当のアダプタも搭載可能で、この場合は対応キーボード(M6900-2・M6901-2・M6905の3種)が接続されていれば一般的なPC/AT互換機用MS-DOSも動作可能である)していた。このためVRAMとしてテキストVRAMを32KB×4、グラフィックVRAMとして1MB(モノクロモデル)あるいは2MB(カラーモデル)を搭載しており、画面解像度は24×24ドットの文字(全角)による1,120×756ドット表示が基本となっていた。〕が搭載され、同時発表の14インチカラーCRT (M6310)と14インチモノクロCRT (M6311)にはこのモードでの表示をサポートするため、マルチスキャン機能が搭載されていた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「MULTI 16シリーズ(まるち 16しりーず)は日本の三菱電機が開発及び販売を行った、パーソナルコンピュータの製品群。日本では初の8088マシンである。== 製品展開 ==初代機は1981年末に発表され、1982年1月より営業活動を開始『月刊ASCII No.56 1982年2月号』、p.63。、その後量産出荷が開始された。CPUは8088である。16ビットマシンとしては、N5200モデル05が本機より先行するが、「16ビットインテリジェントターミナル」としており、発売当時の市場における一般認識としては、本機種が「初のビジネス向け16ビットパーソナルコンピュータ」の最初の例と見なされていた(『月刊ASCII No.53 1981年11月号』 pp.54-55・『月刊ASCII No.66 1982年12月号』 pp.186・200)。また「ビジネス向け」というくくりを外せば、PANAFACOM Lkit-16などの存在もあり、「日本初」という表現は「ビジネス向け」「16ビット」「パーソナル」のそれぞれの言葉の定義次第でどうとでもなるので拘る意味は無い。640×400ドットと当時としては高解像度のビットマップグラフィック画面を備え、BASIC ROMを内蔵せず汎用のOSの使用を前提とし、そのOSで用いる日本語文字コードとしてシフトJISが三菱電機の提案で制定されるなど、その後の日本におけるビジネスパソコンの方向性を決定づける様々な仕様が盛り込まれていた。本シリーズは当初、パーソナルユースからビジネスユースまで幅広い展開を期してソフトウェアや周辺機器を含めた製品展開*>その過程では、VisiCalcに相当する表計算ソフトの開発がマイクロソフトに依頼され、Microsoft Multiplan(その開発経緯から、製品名の「Multi」は本シリーズに由来する)が提供されるなど、ここでもいくつかの重要な成果が得られている、が行われた。だが、ROM BASICを搭載せずフロッピーディスク上でのOS*>当初はデジタル・リサーチ社のシングルタスクOSであるCP/M-86が日本語化の上で提供され、後継機種ではこれをマルチタスク対応としたコンカレントCP/M-86やマイクロソフト社のMS-DOSも提供された。ただし、初代機についてはスタンドアロンM-BASICとしてフロッピーディスクから直接起動し、ディスクフォーマットがCP/M-86と互換で機能的にCP/M-86用M-BASICのサブセットとなるディスクBASICが添付されていた。使用を前提とする*>BASICはCP/M-86上のアプリケーションとしてマイクロソフト製M-BASICが標準でバンドルされていた。なお、このCP/M-86版のM-BASIC上ではOSの日本語入力機能により、日本語文字コードを文字列データとして使用することも可能であった。など、その後のパソコンの発達史からすれば正攻法のシステム構成は、当時の市場においてはあまりに重装備かつ高価*>初代機では8色表示のカラーディスプレイモデルとモノクロ表示のグリーンディスプレイモデルが提供されたが、5インチ2Dフロッピーディスクドライブ2基を搭載しメインメモリ160KB(公称は256KBだがVRAMとして96KBのメモリ領域を消費するため、ユーザーメモリはその分差し引かれる)搭載のカラーディスプレイモデル(MP-1605)の定価が123万円、5インチ2Dフロッピーディスクドライブ1基搭載でメインメモリを96KB(公称は128KBだが、ユーザーメモリとしてはカラーモデルと同様の理由でVRAMに用いる32KBを差し引いた値となる)搭載するシリーズ最下位のグリーンディスプレイモデル(MP-1601)でさえ定価73万円、と当時は非常に高価であったフロッピーディスクドライブを標準搭載したためもあって、発表当時の市場における一般的なパソコンの定価と比較しても高価に過ぎた。ただし、初代機の段階でメインメモリは64KB(MP-64ZM)あるいは128KB(MP-128ZM)単位で汎用拡張スロットにメモリボードを搭載することで最大576KB(VRAMを含む。つまり、ユーザーエリアは最大480KBとなる)まで実装可能であった。なお、標準で8インチフロッピーディスクドライブを内蔵するモデル(MP-1622・1625)も存在し、専用DMAコントローラ搭載の専用FDインターフェイスカードは公称容量10MB、フォーマット時容量9MBの外付ハードディスクユニットの接続にも対応していた。であったことから、当初の手厚いソフトウェアサポートにもかかわらず、幅広く受け入れられるには至らなかった。しかも、ビジネスとしては後発のNEC PC-9800シリーズが内部バスの完全な16ビットアークテクチャ化やグラフィック表示機能の高速化*>MULTI 16は640×400ドットあるいは640×450ドット(MULTI 16 II以降の8086-2/80286搭載機種のみサポート)の解像度のビットマップグラフィック画面を1画面備え、汎用ICなどを組み合わせたディスクリート回路によって描画を行い、更にここにテキスト表示も行う。つまり、後年のDOS/Vと同様に文字表示に際しては8×16あるいは16×16ドットのキャラクタパターンデータを順次VRAM上に転送する必要がある。このため、専用のグラフィックコントローラとテキストVRAMを備え、文字コードをテキストVRAMに書き込むだけで文字表示が行われるPC-9800シリーズと比較すると文字表示速度で大きく見劣りした。といった本シリーズの弱点を補うアーキテクチャを備えて発表され、BASICマシンとしては先行するPC-8801シリーズとの一定の互換性を有し、周辺機器についてもPC-8801用のものの大半が流用可能で、なおかつ本体も充分に廉価な価格設定であった。この結果、性能と価格、それにソフトウェア・ハードウェア資産の継承の3点でPC-9800シリーズに劣った本シリーズは一般市場向けパソコンとしては事実上の失敗に終わり、以後は三菱グループの各社で使用される程度にとどまった。シリーズとしては8086-2搭載で完全に16ビットアーキテクチャ化されたMULTI 16 II、その後継で本体に5インチ2HDフロッピーディスクドライブが内蔵されたMULTI 16 III、Intel 80286を搭載し輸出向けPC/AT互換機との設計共通化が進んだMULTI 16 IV、と続き、それぞれMULTI 16 II・IIIの筐体に初代機と同等の機能を備えた廉価版のMULTI 16 カスタム・MULTI 16 Sも販売されたが、1987年発売開始のAX規格準拠パソコンMAXYと交代する形でシリーズ終了となった。本シリーズはデスクトップモデルのみの展開であり、ラップトップモデル(後継機種であるMAXYでは提供された)やノートブックモデルといった可搬モデルは存在しない。なお、MAXY発表直前に発表された三菱電機製PC/AT互換機であるM3300シリーズでは、変換アダプタの併用により、一部の本シリーズ用拡張カード*>シリアルポート、セントロニクス準拠プリンタポート、GPIBの3種。のサポートが謳われていた。また、このM3300シリーズでは専用OSである拡張日本語コンカレントCP/M-86上でのMULTI 16用アプリケーション動作互換性確保を目的として、専用グラフィックコントローラに16ドット表示モード*>解像度は640×450ドット。なお、M3300シリーズはPC/AT互換機がベースであるが、グラフィックコントローラは専用設計の独自規格のものを搭載(ただし、EGA相当のアダプタも搭載可能で、この場合は対応キーボード(M6900-2・M6901-2・M6905の3種)が接続されていれば一般的なPC/AT互換機用MS-DOSも動作可能である)していた。このためVRAMとしてテキストVRAMを32KB×4、グラフィックVRAMとして1MB(モノクロモデル)あるいは2MB(カラーモデル)を搭載しており、画面解像度は24×24ドットの文字(全角)による1,120×756ドット表示が基本となっていた。が搭載され、同時発表の14インチカラーCRT (M6310)と14インチモノクロCRT (M6311)にはこのモードでの表示をサポートするため、マルチスキャン機能が搭載されていた。」の詳細全文を読む




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